米川の水が、空の青や、きっぱりとした潔い陽光を映しこんで
水面が硬く澄んだ色あいになって流れています。
キラキラした水も冷たくなっていることでしょう。
蝉たちの声をさりげなく編みこんだように揺れる木立のようすは、
もはや夏のさかりの風景とはちがって、優しげです。
気温が下がりはじめた初秋の、
ミンミンゼミ、ツクツク法師、ヒグラシの合唱は、
短い一生を終える前に歌う賛美歌のようにも聞こえます。
8月の初めの朝、
庭の檸檬の枝を見ると、脱皮したばかりの蝉がいます!!
ゆっくり、脱皮~羽化を観察することができました。
ぼぉっと白く光る二枚の羽根・・これは天使??
二時間後。翅に流れめぐる青磁色の液体が神秘的。
そしてやっと、昼前に乾いた翅で、無事飛び立っていきました。
土中で何年も過ごすという蝉は、
空に飛び立つまでにも、さらに辛抱強い時間を過ごすのですね。
「生物として生きるための約束。ただ待つ時間」の意味を教えてもらった午前でした。
・・・ブログの更新を長い期間できないでいたために
心配してくださった方々もあって恐縮でしたが、
とうとう、9月がはじまりました。(汗)
舎那院の薄紅色の芙蓉の花がそよそよと咲きだすこの季節は
私にとって特別な感慨があります。
大好きな初秋にひとつ歳をとる、ということ以外に
長浜の町に出会った季節、古本屋を開業した季節、
溜めていた思いがあふれ出すことの多い季節でもあります。
そしてまた今年も
去年とは違うこの季節を迎えました。
衝撃的な郵便物(介護保険被保険者証)が送付されてきてしまったけれど、
でも、この年齢だからこそ、知らなかったことが次々と宿題のように山盛りになる現実、、、
そこで、衰退し続ける身体能力など見て見ぬふりをして
週に1日、大学の講座を受けることにしました。小さな羽をパタパタしてみようと思います。
ムサビで宮本常一先生の民俗学ナマ授業を受けた幸運を忘れずに生きた私が
ずっと学びたかった文化人類学です。
JR通学や学食が楽しみだなんて言いません。(・・・)
移住によって得た異文化体験などを、脳内整理できたら、また報告します。
拙ブログを覗いてくださる方への
お手紙のようになってしまいましたね。
知らない町で始まった暮らしも、もう4年半を過ぎました。
軽自動車に乗って一緒に来たココア爺(♂トイプー)ももうすぐ15歳、
もう聴力はないし、視力も落ちてきましたが、毎朝の散歩は欠かしません。
大切な友人たちにも出会えました。
生きることについてのあれこれを、自分の感覚で急がずに丁寧に選んで暮らすことで
穏やかで心身も整う日々を得たような気がします。
ずっと、小さな古本屋で本に囲まれて、
たくさんの友人や知人やお客様から温かさをもらいながら
きげんよく暮らしていたいと思います。
ブログ更新が間遠になっても、大目に見てくださいませね。
ツイッターではいろいろ呟いています。
どうぞ、みなさま、すてきな秋をお過ごし下さい。
《お知らせ》
9月より以下のように営業時間と定休日を変更します。
●営業時間 10:00~17:00
●定休日 火曜・水曜・木曜
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