2016年3月 8日 (火)

春から。

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伊吹山が白くなる日が少なく

うらくろ通りの融雪装置の稼働回数も少なく

ココア爺が雪まみれになる朝もないまま、

少し不思議な湖北の暖かい冬が終わりそうです。

恒例の、一刀彫のちいさなお雛様も飾り、弥生3月、

春をそこここに見つけることができます。

ここ数日、朝は、鶯の声で目覚めています。

ひかりが明るく軽い春が来たのだから

深く深く呼吸して

少し身体を伸ばさないといけませんね。

背伸びしたついでに

休稿のお知らせです。

長浜の四季おりおりの話題をお伝えしてきましたが

5年目の古本屋の椅子に座る毎日、

シンプルな暮らしをしているわりに

胸の中に思うことが多すぎて

ブログにまとめる作業が捗らなくなりました。

それで、しばらく休ませていただこうと思います。

今まで、覗いてくださった方、

拙文を読んでお便りをくださった方々には申し訳なく存じます。

このままブログは開設しておりますので、

御用の節はメールや書き込みなど御遠慮なくお送りください。

店主敬白

2016年1月23日 (土)

菫色の手袋。

上等のウールの毛糸というのは

こんなにも長く品質を保つのらしい。

今から、47年も前に、友人が編んで贈ってくれた五本指の手袋。

菫色の手袋は、不思議にどこも傷むことなく

私の両手を今でもしっかり暖めてくれている。

47年も前のものだなんて言っても信じてもらえないかしら。。

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50数年前の春4月、

市内各地から生徒が集まる私立中学の1年D組に入学した朝、

隣の席に座った優等生然とした三つ編みお下げのMariちゃんと、

見知らぬ新しい文化圏に突入して緊張していた私は、

自己紹介してはじめて言葉をかわした。

それからずっとずっと、今でも友達だ。

去年、はじめての長距離一人旅だといって長浜を訪ねてくれたMariちゃんは

大波小波をきちんと受け止めながら乗り越えて生きてきて、

優等生の空気を纒ったまますてきな婦人となっている。

1年D組は洋館の二階の角部屋で、木の床は、湿ったような古材の匂いがして

歩くと足に柔らかい感触が伝わって、足音も好きだった。

女子だけの、のびのび自由な空気に満ちていた教室、

ペンキが塗られた引き上げ窓の外を眺めて夢想ばかりしていた私は

授業をちゃんと聴いてたのかしらん?

木立の中に建つヴォーリズ設計の礼拝堂「ロウ講堂」は、

白い壁が美しい清楚な建物。

今思い返すと、村岡洋子訳本の中の西洋風な情景が身近だったなぁ。

毎朝礼拝に通ったロウ講堂についての画像サイトを見つけたので紹介する。

http://ifudodo.exblog.jp/19039595

高校のマロリーホールもまたヴォーリズの建築だと後に知った。

古き薫りの残る端正な学び舎で佳きものに触れる時間を過ごしたことは、

未成熟な十代の感性にとって、知らぬ間に与えられた恩恵だったと

今さらながら有難く思う。

胸の中に棲んで息を続けるものを抱くのは、幸せだ。

湖北に来て、

寒い日の外出には、どの手袋よりも暖かいので重宝している菫色の手袋も、

中学生になった初日の記憶さえ呼び覚ます、大事なもの。

高校卒業してすぐの若いMariちゃんが、

大好きな菫色の毛糸を選んでくれて、

丁寧な編み技で、五本も指のある手袋を編んで贈ってくれて

今も私の手をぽかぽか暖めてくれることに

しみじみと、ありがとう!!

・・・人生とは、

思い出をつくるもの。

胸の中に思い出がいっぱい有ると現実に溺れそうな時に助けられる。

手袋を触りながら、人生っていいな・・と思う。

2016年1月 9日 (土)

営業のお知らせ。

年明けに店内片付けのため休業していましたが

やっと一応終了して

本日、営業をはじめました。

朝の雨でしっとりしているうらくろ通りに

看板を出して、掃除を済ませ気を引き締めたところです。

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町家の奥に小さな古本屋があることに

気がついて寄ってくださる方を

静かにお待ちしながら

今年も本たちと一緒に、

出来るだけ気持ちのいい時間を過ごしたいと思います。

2016年1月 5日 (火)

2016年。

暦が新しくなった。

首をかしげるほどの暖かい年末年始の数日間を、

陽射しをたっぷり浴びて過ごした。

異常気象や世情不安増殖の怖さを痛感しつつ、

個人的には移住以来の日々をひとつひとつ思い起こし、

これからの自分らしい歳月の営みについても

またゆらゆらと不要なことを削いでゆくという大まかな道筋を

頭の中でイメージすることが叶う時間だった。

もっとこころのなかを柔らかにして、空気をいれて

軽く軽く、暮らしたい。

長く置き忘れていた小さな額絵が

ふたたび手許に来たので、架けて、見つめる。

亡き友がトルコで買ってきてくれた骨董の絵。

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くるくるくるくる~~回る~ただ旋回し続ける~~

頭の中の澱さえ、遠心力で虚空に吸いあげられてゆくような

そんな不思議な伝統の旋舞。

https://www.youtube.com/watch?v=OavgHIMOkxo

瞑想のかたち。

踊り終わった瞬間に、

きっと心を覆っていた暗い袋がするりと剥けて無くなってるんだろうな。

私も、いつか重さをなくした綿毛のようにふわりと空の光の中に

消えていきたい。

こんな音楽も、旋回するような空気で

またどこか不思議な世界へ連れてってくれる。

https://www.youtube.com/watch?v=r0AYokGJD6I

5年目を迎えたさざなみ古書店に滞ったものも多いため、

時間をかけて店内整理をしようと思っています。

店主の左肩と腕は、負荷をかける度に痛む状態のため(本は重い、、。)

ちょっと時間を要しそうです。

何卒ご容赦ください。

2015年12月27日 (日)

お知らせ。

暖かい12月の湖北、

雪の積もる日がないまま暮れようとしています。

2015129

勝手ながら

さざなみ古書店は暮れから年始にかけ

長期間のお休みをいただきます。

悪しからずご了承ください。

みなさまが清々しい新年をお迎えになられますよう

お祈りしております。

店主

2015年12月11日 (金)

冬の本。

夜半から朝方に降った雨のあと

庭は鮮やかな赤色の葉が敷きつめられた!

枝に残っていた葉のほとんどが落下したもよう。

つい数日前まではこのように赤色を見上げていたのだけれど。

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一晩で雨に打たれて落ちてしまった。

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枝だけになったモミジがまた赤い新芽を出す早春まで

小さな庭は3ヶ月余りのモノトーンの季節にはいる。

この年内には

白い雪が舞いおちる日もやって来るだろう。

そろそろ冬ごもりの準備をはじめておかねばならない。

・・・移住5年、冬迎えも身に付いた。

北側窓一面に冷気避けのプチプチシートを張りめぐらす。(=開かずの窓にする)

軍手と雪どけ用スコップを出しておく。

そして、じっくり味わいたい本、気になる再読本、

一年間読みたかったけど読み通せなかった本を

一冊一冊積み上げて、「冬ごもり本の塔」をつくる。

分厚い本も、どんどん積む。冬は長い。

こうして、高さのあるいいバランスに拵える。

しんしんと凍える夜は

ガスストォヴの赤い熱にあたためられながら

首にマフラー巻き巻きし、

腰もぐるっと毛布で保温して、膝上にクッションをのせて

その上で本を開く。。。。くんくん、至福の時間はいつでも静かにはじまる。

できれば、サイドテェブルにはシングルモルトの瓶とグラス。)←自分で用意。

できれば、流れてくる心地よい楽曲。ナマだと最高!)←誰が奏でる?

できれば、たまに差し出される温かいお茶。)←誰が淹れてくれる?

できれば、疲れた間合いに肩をそっともんでくれる手)←誰の手?

(☪妄想は自由です)

ずっしり重厚な本もいいけれど、

夏葉社の「冬の本」、冬にことさら似合う小さなサイズの一冊を

どなたにもお薦めしたい。

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あまりに愛らしく、84人それぞれの冬にまつわる1篇1篇が

色付き硝子のようにきらきら光を放って

雪の中に建つ教会のステンドグラスのような珠玉の本なのだ。

表紙の青色が視界にあると安心、、

気ままにどのペエジを開いても、匂い立つさまざまな冬の空気が思いがけず楽しい。

・・・みなさんの傍らにも、

寒い季節にぐっとそばに寄せてもらうのを

待っている本たちがあるかもしれませんよ。

『読書の冬』って昔から言われてますよね。。。(?)

2015年11月29日 (日)

初冬。

朝、家を出るとき、

赤い毛糸の手袋をはめるようになった。

15歳の老犬ココア爺の足腰の筋肉維持と、飼い主の腰痛軽減のため、

40分ほどの散歩は続けなくては。。

伊吹山に初冠雪、長浜北部の山々には数日前に降雪があったと聞く。

冬がやっぱり約束通り来たようだ。

晩秋に寒暖の差が少なかったせいなのか、我が窓辺のいろはもみじは、

やや鈍い赤色のまま、乾いて散ってゆく。 

どこの紅葉の名所も同じ様子らしい。。。そんな巡りもあるのだなぁ。

蔵の前の小さな庭で

毎朝、隅に掃き寄せる葉が

焚き火を熾したようにこんもり赤い集積になった。

雨をためた手水鉢の水底には

落ちた葉っぱたちが重なり合っている。

静かに空をみあげて・・・瞑想中らしい。

これは

そのままにしておこう。

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夏の終わり頃から真っ白な花をつけていた仙人草は

種子が熟して

ふわふわ綿毛を巻いて、ごきげんな様子で朝陽を浴びている。

来年もきっと咲いてね。

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寒冷地で、「冬季欝」という病もおこると聞くが、

暗く重たい雲に閉ざされて、気温がぐんぐん下がると

ひとの身体は萎縮し、凍るように心が萎えることもある。

そんなとき、鍋物の湯気やひとの言葉の温かさをふうふう当てて

ほぐし溶かすのが、きっといい処方。

植物たちは過酷な場所でも、淡々と与えられた運命を受容し、

ただ生き延びようとする健やかな自律を見せて、

私のなまっちょろい弱音を叱咤してくれる。

川辺に自生している日本水仙の真っ直ぐ連立した緑芽は、

日毎に背を伸ばしてきた。

大雪をかぶっても、ちゃんと来年咲くんだよね。

ほんとうに植物は偉い。

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2015年11月11日 (水)

キャンパス。

9月からはじまった新しい体験。

滋賀県の西、大津市にあるR大学の社会人募集に志願して、

週1回火曜日の受講が叶った。

「文化人類学」の授業はとても興味深くて、毎回帰り道に

次回までまた1週間待つのか、、と淋しくなるくらい。

講義後、提出しないと帰れない小レポートを

書くときは、普段使わない脳の部分がほどよく熱くなる。

JRに約1時間余乗り、駅前からバス10分で、

丘の上の木立に囲まれた瀬田キャンパスの校門に着く。

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たった1科目だけの受講だが、単位も下さるらしいし、

IDカードも発行してもらって、

これがあれば図書館へ入館できるし、借りることも出来るのは

私にとっては有難いおまけ!!だ。

構内には、複数のカフェテリアやレストラン、ストアがある。

多種多彩な品揃えで、広いのにいつでも混み合ってる「学食」の空席を探して、

若い学生たちに混じって、

メニュー探検、人間観察的に昼食をとるのは、たのしい。

学生の健康管理をサポートするために

レシートには、摂取メニューの分析まで、表示されていた。

赤/タンパク質類 緑/野菜 黄色/穀類 かな。

塩分、カルシウム量まで記載されている。

この日は3品で754キロカロリーも食べちゃたらしい。

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清々しい環境の、整備された構内に点在する機能的な建物、

清潔な若者たちが集まって、笑いさざめく風景。

「おれ、今日、オカンの弁当やねん」「そっか!」

「やばっ!バイト、遅刻せぇへんかな」「走ればイケルやろ!」

大学ってこんなに平和なガーデンなんだと、少し驚く。

20歳前後の彼らが現実社会で味わっているかもしれない砂嵐の匂いが流れてこない。

とんがって、ささくれだって、泣いたり荒ぶったりの

吹きだまりのような、ぐじゃぐじゃの場所はどこか別の場所に隠れて在るのだろう。

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このベンチに腰掛けて、

図書館で借りた、辺見庸の本を読みながら

授業の始まるのを待った。

・・・・昨日の火曜日は、

コメントを時折くださっている「風月のカレー」さんが

遠くから来店してくださったらしいのに、お目にかかれなかった。

(※ROOIBOS TEA大好きです。ありがとうございました!!)

ゴメンナサイ。・・ほんとうに残念。(このブログに目を留めてくださることを祈りつつ・・。)

2015年11月 8日 (日)

雨の米川。

久しぶりの雨。

そぼ降る秋雨が、この町にはよく似合う。

昔の人々が整えて栄えた古い町だけど、

川沿いの風景のなかで、実は多種の生き物の暮らしが息づいている。

折々に遭遇する彼ら、

雨の日はどこにいるのかな。

いろいろな虫や爬虫類や野鳥たち、翡翠、青鷺、白鷺、烏、椋鳥、山鳩、

そして、流線型のテン、可愛い顔のイタチ、長い蛇、しっぽがふさふさの狐、、

黒やトラの野良猫ちゃんたち、、。

妖怪や、世にも不思議なモノたちだってきっと棲んでいるに違いないけど、

仲良くやりましょ~。

・・・エッツの「わたしとあそんで」という絵本を思い出した。

ひとりぽっちの女の子がいろんな動物に囲まれてにっこりしている最後のペエジ。

これからもずっとずっと、

生き物たちが澄んだ目をしてきげんよく生き続ける町でありますように。

つまり、ニンゲンも生きられる環境ってことだものね。

雨の輪っかと、米川に映る紅葉。

我が住処は、もうじき落葉する赤い蔦に覆われてる。

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2015年11月 6日 (金)

秋の湖。

11月、明るい陽射しの秋の日には、気持ちがほっとする。

ことのほか時雨が多い地域だけれど、今まであまりなかった好天が続いている。

家にいるのはもったいない時間帯に、

久しぶりに琵琶湖岸を、老犬と散歩した。

対岸の山々も浮かぶような薄青色をして。

湖面に広がるきらめきは

どんな宝石よりもきれいだ。

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北国から飛来する野鳥もどんどん数を増してきた。

今年も、一羽のオオワシがシベリアからの長い長い旅をしながら、

山本山に向かってるのかな。

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住処の窓辺の古木、いろはもみじも

枝先を染めはじめた。

Pb060215

冷え込む朝晩は、ストォヴを点けてしまう。

やってくる厳寒を想像すると、少し怯むけれど

雪がもたらしてくれる真っ白な風景も、心の中では待っている。

季節ごとに、

山や湖や町や庭や道が

美しい色あいと陰影を宿す一瞬の間合いを

目に映すことができるのは、

数百色の絵の具箱を持ってるような豊かな気持ちだ。

2015年9月10日 (木)

秋雨。

日本列島の上空では

台風や雷雲や雨雲や竜巻が

制御なしに走り回っているようです。

どう対処すれば安全なのか考えているうちに、

とんでもない場所へ吹き飛ばされそうな気もしてきますね。

雨のあがった午前、

小さい明かりのような花たちが

白く浮かんで

秋の訪れを知らせてくれていました。

遠くから見ると、線香花火がきらめいているようでもあります。

仙人草。

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毎年、同じ場所でないけれど、いつのまにか

庭や川辺のあちこちに蔓を伸ばして、

次々に開花します。

米川沿いの住処で迎えたはじめての夏の終わりに

窓から中を覗くように、網戸まで這い上がって白い花を咲かせてくれているのを

見つけたときの嬉しさを思い出します。

はじめまして!!

小さく楚々としたこの花と会った9月でした。

空模様が心配でありますが、

店主は、11日金曜、12日土曜 と店を留守にいたします。

ふるほんやおや では端境期のため野菜の入荷がありません。

週末2日間の臨時休業、悪しからずお許し下さい。

2015年9月 1日 (火)

秋にむかう。

米川の水が、空の青や、きっぱりとした潔い陽光を映しこんで

水面が硬く澄んだ色あいになって流れています。

キラキラした水も冷たくなっていることでしょう。

蝉たちの声をさりげなく編みこんだように揺れる木立のようすは、

もはや夏のさかりの風景とはちがって、優しげです。

気温が下がりはじめた初秋の、

ミンミンゼミ、ツクツク法師、ヒグラシの合唱は、

短い一生を終える前に歌う賛美歌のようにも聞こえます。

8月の初めの朝、

庭の檸檬の枝を見ると、脱皮したばかりの蝉がいます!!

ゆっくり、脱皮~羽化を観察することができました。

ぼぉっと白く光る二枚の羽根・・これは天使??

201583

二時間後。翅に流れめぐる青磁色の液体が神秘的。

201583845

そしてやっと、昼前に乾いた翅で、無事飛び立っていきました。

2015831045

土中で何年も過ごすという蝉は、

空に飛び立つまでにも、さらに辛抱強い時間を過ごすのですね。

「生物として生きるための約束。ただ待つ時間」の意味を教えてもらった午前でした。

・・・ブログの更新を長い期間できないでいたために

心配してくださった方々もあって恐縮でしたが、

とうとう、9月がはじまりました。(汗)

舎那院の薄紅色の芙蓉の花がそよそよと咲きだすこの季節は

私にとって特別な感慨があります。

大好きな初秋にひとつ歳をとる、ということ以外に

長浜の町に出会った季節、古本屋を開業した季節、

溜めていた思いがあふれ出すことの多い季節でもあります。

そしてまた今年も

去年とは違うこの季節を迎えました。

衝撃的な郵便物(介護保険被保険者証)が送付されてきてしまったけれど、

でも、この年齢だからこそ、知らなかったことが次々と宿題のように山盛りになる現実、、、

そこで、衰退し続ける身体能力など見て見ぬふりをして

週に1日、大学の講座を受けることにしました。小さな羽をパタパタしてみようと思います。

ムサビで宮本常一先生の民俗学ナマ授業を受けた幸運を忘れずに生きた私が

ずっと学びたかった文化人類学です。

JR通学や学食が楽しみだなんて言いません。(・・・)

移住によって得た異文化体験などを、脳内整理できたら、また報告します。

拙ブログを覗いてくださる方への

お手紙のようになってしまいましたね。

知らない町で始まった暮らしも、もう4年半を過ぎました。

軽自動車に乗って一緒に来たココア爺(♂トイプー)ももうすぐ15歳、

もう聴力はないし、視力も落ちてきましたが、毎朝の散歩は欠かしません。

大切な友人たちにも出会えました。

生きることについてのあれこれを、自分の感覚で急がずに丁寧に選んで暮らすことで

穏やかで心身も整う日々を得たような気がします。

ずっと、小さな古本屋で本に囲まれて、

たくさんの友人や知人やお客様から温かさをもらいながら

きげんよく暮らしていたいと思います。

ブログ更新が間遠になっても、大目に見てくださいませね。

ツイッターではいろいろ呟いています。

どうぞ、みなさま、すてきな秋をお過ごし下さい。

《お知らせ》

9月より以下のように営業時間と定休日を変更します。

●営業時間 10:00~17:00

●定休日 火曜・水曜・木曜 

2015年6月26日 (金)

九月の朝顔。

素描のような表紙の絵は、やわらかい。

竹の紙に糸で刺繍された、手と朝顔のちいさな種ひと粒。

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「九月の朝顔」 畑尾和美さんhttp://hataokazumi.net/profile.html

の詩画集(2011 BOOK LoRE)

のなかからひとつの詩を紹介します。

『神様のヴィサイン』

その人を神様と呼ぶ

いつも笑顔やから

元気をくれるから

楽しいことを考えているから

体にやさしいことを知っているから

かわいい声で旦那さんを呼ぶから

約束はせんとこうなって言うから

無理はしないから

好きなものをわかっているから

好きなことをしているから

うれしい時にはヴィサイン

なんで

その人を神様と呼びはじめたのか考える

べつに特別でもなく

ふつうのおばさんやのに

ふつうなんやけど

自分が同じ歳ぐらいになった時

にっこり笑顔でヴィサインなんかできるんやろうか

鼻歌をふんふん心地よく歌えるんやろうか

神様と呼んでいるその人は

昔は苦労したらしい

離婚経験もある

お父さんは、ぼけてしまって看病がたいへんやったそう

お母さんは今も入院している

体調だって崩したこともあるんやろうし

甘いもんも、おいしいもんも好きなんやけど

食べたら関節が痛くなってしまうという

ずっと前から笑顔やった訳じゃなく

しんどいことも、つらいこともあったから

今を思いっきり楽しんでいるように見える

その人はアハハと笑う

ほんまにおもしろい時には

アハハの後に「おっかしい」っていう

ほんものの笑顔

ほんもののヴィサイン

神様は

ふつうのおばさん

すぐそばにいる

酸いも甘いも経験して

自分のことを誰よりも

ちゃんと見つめようとしている人

2015年5月24日 (日)

はつなつの出来事。

5月もあと一週。

まぶしい初夏のひかりが降りそそぎ、風が渡っていきます。

まちなかも新緑がきらきら。

針屋橋から琵琶湖の方向を見ました~~。

ちょうどうらくろ通りの、裏通りと呼ぶべき米川の流れです。↓

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増えてきた夏衣の観光のお客様のなかの、本を好きな方が

小さいこの店を見つけてくださるので、

遠くの方とお話が出来たり。。の静かな毎日。

昨夕、暮れ時の長浜駅窓口でのこと。

月曜からの旅の切符を購入中の私のそばで

「あ~~そうですか、禁煙の部屋は空いてないんですね。ウ~~ン。。」と携帯電話の声。

見ると、宿を探して困っておられる様子のご夫婦。

おせっかいとは思ったけれど、お声をかけてしまい、

うらくろ通りの「三谷旅館」http://www.mitani-ryokan.com/に連絡、

幸い部屋がとれ、ご案内することができました。

静かで家庭的な旅館を、東京のおふたりは気に入ってくださったらしく、

連泊されるとのこと。

今朝は、店に顔を出してくださり、

経歴や作品や、現在の活動などを伺い知ることができました。

私は、ほんのふとした偶然から

社会的に意味のある働きを元気に続けておられる、

才能ある人生の大先輩のおふたりを知り得たわけですから、

これは、どこかからの、「はつなつのプレゼント」かしら、、とすら感じたのです。

実は、このところ、気の流れが滞り、

低い雲のような不安感に捕われていた、そんな折りでしたから

さりげなく、「あなたは自分に出来る仕事をやってる??」と問いかけられるような

上等の励ましが降ってきた!!と思えるようなことでもありました。

タイムリーな出来事に感謝!

《お知らせ》

店主都合のため、5月25日(月曜)・26日(火曜) を臨時に休みます。

悪しからずおゆるし下さい。

2015年4月25日 (土)

ほむら。

本棚のなかに棲んでいる住人については、

昼間も夜間も、めったにその姿を現さない習性から、

会ったひともあまりいないため、

本と仲が良いこと以外にはあまり知られてないと思う。

nuwasu さんというクリエーターはとびきり柔らかな発想で

12人の「本棚に暮らす住人」を布と針で「かたち」にしてしまった。

P4250164

このなかに確かに会ったことがあると思われる住人を発見!!

すぐにnuwasuさんにお願いして作ってもらった。

P4250167

ようこそ~ほむらさん!

このような紙袋でやってきた、さざなみ色をまとった「ほむら 三兄弟」は

とてもシャイな佇まいで、古本屋の書棚に棲み始めている。

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nuwasuさんの説明によると・・・

「筒の奥から世界を覗きます。はちきれそうなほど言いたいことがあるのに、

ボタンでしっかり前をとめて、きっと生真面目な人なんでしょう。

筒の中から、何が見えますか。

・・・穂村弘『世界音痴』 」

脱力しているようで繊細過敏な歌人穂村弘の、男の子キャラクターが

こんな「本棚の住人」となって出現するなんて、なんとも面白い。

いつも筒の中から注意深くそっと覗いているほむら三兄弟。

P3110537

ほむら も含めて「12人の本棚の住人」

がデザインされた楽しい手ぬぐいが、

つい先週、出来上がりました!!

P4240121

これからの季節、首に巻いたり、本の好きな方にアレコレ使っていただきたくて、

さっそく展示販売を開始しました!(@800Yen)

ぜひ「本棚の住人」と遊んでください~~。

«曳山祭り。

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