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2012年1月

2012年1月27日 (金)

「ひらいた掌」とベン・シャーン。

「詩は,やはり人間と人生とを離れることがあってはならない」といった

昭和モダニズムの詩人、安藤一郎(1902-1972)の詩集をご紹介。

Photo

お気づきの方もあるかしら、挿絵がなんとベン・シャーン(1898-1969)です!

1963年に出版されたこの詩集、1911年生まれのグラフィックデザイナー高橋錦吉の、

力のこもった描き文字タイトルと、ベンシャーンの絵の深さの調和に、感銘を受けます。 

それにしても、真摯ないい装丁です!!!!

Photo_2

この春のベン・シャーンの展覧会http://benshahn2011-12exh.info/には行かなくちゃ!

1970年に東京で見たベン・シャーン展の絵葉書を→Photo_3

まだ、大事に持っていましたよ。42年前~~~?!

若い美学生に与えた衝撃は大きく、

刻むような鋭い描線の美しさと、

社会のなかで正義や反骨の姿勢を貫く画家を

心から尊敬し続けてきました。

日本で2006年に、アーサー・ビナードが文をつけて

「ここが家だ」というベン・シャーンの絵本が出ています。

放射能に対する激しい怒りをこめて

 Photo_5
第五福竜丸が遭遇した悲劇を描いた絵は、どこまでも静かですが、 

核へのゆるぎない拒絶を勇敢に表現しています。

今、読んでほしい絵本! 「放射能病で死亡した無線長は、あなたや私と同じ、

ひとりの人間だった。」とベン・シャーンは言っています。

時を超えたアーサー・ビナードとのコラボは、崇高な友情を見たようで感動します。

安藤一郎の詩 と ベンシャーンの挿絵 も同じようにいい寄り添い方をして出来上がったものだし。

気骨あふれる安藤の詩を紹介するつもりだったのに、ベン・シャーンの話にそれてしまいました。。。。

さざなみ古書店開業まもない頃、

すでに絶版になっているベンシャーンの「ある絵の伝記」を書棚で見つけて、

とても嬉しそうに「姉の思い出の本を見つけました!」とおっしゃった方、

本が思い出とともに在るのはすてきです。よかった!

book

2012年1月21日 (土)

一年が経って。

去年の1月19日の夕暮れ時。

引っ越しトラックが去った空っぽの部屋に別れを告げて、さあ出発。

門司港フェリー乗り場に着いた頃にはあたりは真っ暗。

駆けつけてくれた若い友人の車のヘッドライトが近づく。(涙あふれそう・・・)

「あなたの旅立ちを祝って」と差し出された清楚なブーケを抱いて、

大事なキーワードを交わして、泣かないように握手。

大型トラックばかりが並ぶ船内デッキに入り、小さな軽自動車を固定する。

連れのわんちゃん(ファンキーなココア君)を離れたペットルームのケージの中へ。

(エンジン音と揺れの中での一晩、がまんしてね。)

緊張のために眠れない一夜、満月が西の山影に消えるまで眺めて、やがて船は神戸六甲港の岸壁へ。

明るんだ空を見上げ、深呼吸。晴れ!!

さて、エンジンをかけて北陸道へ向かおう。。長浜へ行くんだ!!走れ、私。

この道のりを思い出すと、こみあげてくるものはなんだろう。 

壊れかけていた自分が、息を吹き返すために必死で進もうとしている場所はどこ?  いったい私はどこへ向かっているの?

知らない町に身を寄せる不安で身体は震えつづける。

きっと、この道のりは人生2度目に通る産道だったのだ。

やっと長浜インターを降りると、白い雪景色が広がり、

ノーマルタイヤで運転するのが怖くて、両手がしびれてくる。震えと交じって、危険運転?

新しい住まいでは、町の人が、数日前の大安日に、差し入れてくれていた「引っ越し万年青」の鉢が私を待ってた。縁起を大事にするのは、ここではきっと当たり前なのだ~。

Photo

これは当日、窓から携帯で撮ったその万年青くんと米川。

お風呂がないのは承知だったが、水道管凍結でお湯も出ない3日間、極寒の室内で(やっと小さな電気ストーブを出せたが、効力なし)、ダウンジャケットを着たまま段ボールの山と格闘したっけ。

近所の理髪店に頼み込んで、シャンプーをしてもらったり。・・・「隕石落下か?」と夜中の落雪爆音に跳ね起きたり、・・・・・・。

でも、あの日から毎日、変わらず~長浜が大好き。

移住先選択については、私の直感冴えてる!と褒めたい気分。2012_2

きっと60歳の還暦アップルをパリンと割ったときに、

その力が降りてきたんだ?!

一年が経って、観光客にも道案内が出来るようになったし(笑)

たくさん、たくさんのお友達の顔も浮かぶようになったし

相変わらず琵琶湖の波の音に耳と、心を澄ませながら

2年目の日々を

ゆっくり歩いてゆこうと、思う。

きっとますますこの町を好きになるはず。。。

我が家の万年青くん、一周年祝いかな?  ・・↓こんな可愛い赤い実をつけました!~~~!!

Photo

2012年1月16日 (月)

掌の美。

雅陶堂当主、瀬津巌氏が掌中の逸品たちを語った美しい大型本。1996年 新潮社 布装箱入。

Book_2

ご予約くださっていた京都の若い庭師さんと、ゆっくりお話しする。

中学生のとき、英語の教科書で「地球の砂漠化」を知り、

緑を増やす仕事に就こう!「木を知るひとになろう」と思ってPhoto_3

建築を学び、造園の世界で修行を積んだそうだ。

道具代で給料がふっとぶ丁稚奉公を経て、独立、

「京庭なる井」を興したのが33歳。 味のある活版の名刺→。

・・・庭師へのまっすぐな道を、いちずに進んでいる。

「いい庭って?」と尋ねると、もの静かな口調で

「僕や、僕の家族がほっとできる庭が、ええ庭やとおもうんです」と。

・・・・いやはや、真理!! 庭はひとのこころを受け入れて休ませる場所。神が降りる場所であった古来から、その真髄は変わらないはずだ。

そんな彼の造る庭を、ずっとみせてもらうのは、なんとも楽しみだ!。

きっとこの本は、京都の山あいの書架で彼の静謐な時間に寄り添うのだろう。

少し中身拝見、各章のタイトルをあげると・・・・

Photo_4「愛らしき残片たち」 仏手・仏足

「道しるべになったいしにえのピンク」 紙胎漆塗彩絵華籠

「天上の音」 金銅垂飾金具(鈴)

「海を渡ってきた蝶」 神護寺一切経の経帙

「海揚がりの皿」 肥前初期染め付け皿

「築地明石町の夏」 桑縁玉入葭絹地張透小屏風

「願いに応える仏」 盧舎那仏光背の化仏   「動物たちのお月見」 瀬戸の水滴他

「大和しうるわし」 遠山袈裟裂  などなど。


↑画像は店主の気に入ったペエジを開いたもの。

紀元前2800年のアフガニスタン 石の地母神(13センチ)2体

紀元前3500年のアナトリア(トルコ)の地母神(11センチ) だそうだ。ヘンリームーアではない。いつまでも見ていたい造形だ。

(残念ながらこの本は、今は古書店で探すしかない。)

・・・大事にしてきた本を、日本の伝統を担う若い仕事師の手に渡せたのは

さざなみ古書店の、しみじみ嬉しい出来事だった。

彼の帰ったあとに、飲んだ熱いお茶の美味しかったこと。

bud

お知らせ: 1月20日金曜日 店主出張のため店休日とさせていただきます。

2012年1月13日 (金)

優しい笑顔。

その方は、同じ寅年生まれだから、12歳年上の本好きの、お友達。

長浜の旧いY家に嫁いで、お商売と大家族を切り盛りされ

いろんな重さを受け止めながら、小柄な身体で、お家を守ってこられた、女人。

半年前に、はじめて会ったときにすぐに仲良くなって

すっかり私の心がほぐされてしまった。

「ありがとう。あなたが長浜に来てくれて、とっても嬉しいんです」と、

少し首をかたむけて微笑まれる仕草が少女のように可愛い。

さぞかし、賢い美少女だっただろうと思うチャーミングな70代。

Photo

小雨のぱらつく午後、

「石油コンロに網をのせて焼いた焼き芋。」と持ってきてくださった ホッカホカの美味しそうな匂い~。

長野からの林檎もふたあつお裾分けに与る。

私が湖畔の町に流れ着いて(?)もうすぐ一年。(あと1週間か・・・)

友人のあたたかさ は、どんなものより宝物だけど、

人生の大先輩が惜しげもなく見せてくださる優しい笑顔と、お話は、じつに貴い。

12年後に、あの方のように、颯爽と歩き、軽やかに人に愛情を届けることができるような

自分になれますように。

それを忘れないようにしたい。

apple

apple

2012年1月11日 (水)

豊国さんの十日戎。

長浜城主だった豊臣秀吉。

豊臣家が、Photo_2元和元年(1615年)大坂夏の陣で没したあと、

長浜の民衆が遺徳を偲んで建てたのが、ここ長浜にある豊国神社。

徳川家による取り壊しの命の際、密かに秀吉の神像を

町年寄の屋敷に移し、その後、恵比須神社の奥に

こっそり合祀され、江戸の町衆によって守られ続けられ、。明治に現在地へ。

秀吉を祀る豊国神社で、戎祭りがあるのはそんなわけだそうです。

十日戎は、1月9日宵ゑびす、10日本ゑびす、11日のこりゑびす の三日間。

商売繁盛を願う人々で大賑わいです。 店主も、雨も上がった満月の晩、宵ゑびすに出かけました。2

世話をされている町衆の方々の元気な声がひびきます。

さざなみ古書店が、これからも愛されますように~~と参拝して、

福笹 を 買いましたよ~~~~。

まあ、盛りだくさんの吉祥縁起飾りをつけていただいて、

笹も、重そうにしなっています。

Photo_4

このような買い物は、はじめて。なんだか嬉しくなって

思わずお月様に Photo_5イェ~~~イ!と声をかけてしまいました。

帰り道の美しい満月。

きっといいこと、あるような・・・・!!!!

・・・・・長浜の夜、本当に静かです。  が、、、

少し遅い時間になると

町内を廻る「火の用心」太鼓の音が、静寂を破ります。

ドンドン、ドンドド~ン。

眠りこけたワンちゃんの耳もピクリと立ちます。

江戸時代の夜に鳴っていた音と全く変わらない響きを、今でも

毎晩聞ける町、こんな贅沢って、そうそうありませんネ。

お上の命令よりも町の思いを大事にする人々のチカラ、

太鼓の音を絶やさず鳴らし続ける町のソコヂカラ、について、もっと深く知りたいと思います。

fullmoon

night

2012年1月 9日 (月)

謎のカメラマンと魔女。

ご存じのように

さざなみ古書店は小さくて、

5,6人の方でも混み合ってしまう空間ですのに、

本を熱心に見ていた長身の若い男子が、「撮っていいですか」と

旅の荷物の中から三脚を広げて、長い足を折り、撮影体勢。

あまりの狭さにドアにぶつかってしまう!

1

三脚撮影!これは珍光景だと、店主も慌てて撮影。

謎のカメラマンは「めっちゃいい!この店。落ち着く~」と楽しそう。

お連れの、瞳キラキラの美肌女子がお買い求めになったのは

林明子 絵 の「魔女の宅急便」。

・・・・他のお客様が入れ替わる間も不思議に店内のどこかにいて下さって

そのうち、このおふたり、風のように

さざなみ通路を歩いて去って行かれました。

Photo

コテコテのザ・大阪弁だった~~~、

謎のカメラマンと可愛い魔女さま。

次に来られるときも、変わらず狭い店内ですが

また、仲良くいらしてくださいな~~~。2

2012年1月 6日 (金)

杉本博司。

新年から正面には

杉本博司のシャープな数理曲線の写真ポスターを架けています。

さざなみ古書店の灯りを映りこませて、ご紹介。

Photo

彼の写真や美術作品からは

厳密でありながら限りなく柔らかく生々しい感触を、

深層に埋もれた原初の時間の流れとでも呼びたいものを、感じることができます。

たくさんの美術のなかで、「時間の存在」を強く喚起してくれるのは

杉本作品のように思います。

下は、U2のNo Line on the Horizon(2009)のジャケットの写真。

「彼(ボノ)は僕のイメージを使ってもいいけど、僕も彼がつくった音楽を自由に使える権利だけを交換しようと。石器時代の物々交換。現金がまったく動かない美しい話を考えたんです。資本主義に抗って・・」 という、ボノと杉本の友情の産物がこのジャケット。・・・いい大人の話。

↓こんなに静かな「海景」です。

U2

杉本博司の評論集もおすすめです。

book「苔のむすまで」(2005)    Photo_3

「私の中では

最も古いものが、

最も新しいものに

変わるのだ」

book「現な像」(2008)

「私は長い間写真に

関わりながらも、

未だに真の何たるかを

知ることを得ない」

・・・冷たい雪や時雨が続く長浜の1月、

絶え間なく天空から落ちてくる冬の音を背景に、

本の中にある、時空のはじっこを探すのも 楽しいかも知れません。

mist

cloud

2012年1月 1日 (日)

2012年の元日点描。

明けましておめでとうございます。

年越しに、生まれて初めての体験、大通寺で除夜の鐘を撞きました。

そして、朝から久し振りに広がった青い空、P1010053_640x528

気温も上がって、穏やかな元日となりました。

伊吹山も白くくっきり見えています。

JR北陸線で3つ目、高月駅から歩いて10分の

渡岸寺へ。憧れの観音様にお目にかかってきました。  

湖北の小さな地域の信仰深い人々によって守りぬかれてきた、気高く美しい観音様に、しばし言葉なく見とれてしまいました。また逢いに行きたい。

http://event.yomiuri.co.jp/2006/butsuzo/kannon.htm#top

※流麗な194センチの檜の体躯、体重は45キロだそうです。

長浜に戻り、その足で長浜八幡宮へ。 驚くほどお行儀のよい長蛇の列に並んで40分、やっとお参りを済ませます。 P1010067

 八幡さん恒例の、氷の干支彫刻は、勢いのいい対の登り龍です。

 そろそろ、西空が暮れなずむ頃、 

 元日の散策も終わりましょう。

 

 道端に残る雪をよけながら、

 路地を抜けて、さざなみ古書店まで戻ると、

 お隣の野性味あふれる門松が目を引きます。Pc310003

 下を見ると、造形的にも、スゴイ迫力の根っこがあって、

 まっすぐに竹が昇っています。

こんな根っこのある門松って??とても珍しいですよね。

Pc310002            

そして、

さざなみ古書店の店内へ~~~~~。

北九州のミニチュア蝉凧の前で

いただいた鏡餅に載ってるのは??・・・レモン、しかもぬいぐるみってありですか?・・・答)ありです。

Pc310007

  なんだか、

  盛りだくさんの元日点描でした。

  今年も

  美しいもの、

  あたたかいひと、

  わくわくすること、

  にしっかり触れたいと思います。

  どうぞよろしくお願いいたします。

     ※ 2日・3日は営業。 4日・5日は休ませていただきます。

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