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2012年4月29日 (日)

中井久夫の本「最終講義」。

「逆立った“心の生ぶ毛”をそっと撫でてくれる人。」(於/某医療マガジン)

中井久夫さんに、なるほど、このタイトル!

「心の生ぶ毛」を大切にする治療を実践した精神科医として、

分裂病(あえて統合失調症と私は呼ばない)の治療と研究に尽くされた。

彼の編んだ阪神大震災時の精神科医レポートは、3.11震災下で働く医療者をも支え続けた。http://homepage2.nifty.com/jyuseiran/shin/

出版された多くの専門書以外でも、名エッセイの人気は高く、

人間洞察、言語、文学への造詣、教養の深さを味わうファンは多い。

P4290104_512x384

みすず書房の「最終講義 ― 分裂病私見」( 1998 神戸大学で)を読んで、少し抜粋してみる。

book

「病気になる人は、遭難しかけた時に山頂のほうに向かって避難しようとする人」で

「当人にとっては四方が断崖の絶頂にいる」こと。

「分裂病でない人は、のほほんと分裂病にならないのではなくて、日々、何らかの入力によって、分裂病状態というとても苦しい、逆説的な、宙づり状態の実現を妨げられているのだ」

「睡眠や夢や心身症が日々分裂病から人間を護っている」

・・・・中医学との共同診察、薬圧の存在、生物学的考察 なども語られていて、

全くの素人の私にも、

おぼろげながらこの病の輪郭がつかめて来る。

ずっとずっと30年の間、この痛ましい狂気の根源を知りたいと思い続けてきた。

それは、幻聴に囚われた「精神分裂病患者」の手が、

私の大事な父の息の根を止めたから。

父の生命は59歳で突然遮断されてしまう。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%88%AA%E7%A9%BA350%E4%BE%BF%E5%A2%9C%E8%90%BD%E4%BA%8B%E6%95%85

24人の命が消えて、そして、手を下した病人は無実であると保護された。病気が行為したのだから。

分裂病とは、何??

深い闇にコントロールされた人々の病的行動が、無防備なひとを殺傷する世の中。

「なぜだ、なぜ? 一体なにを見たのか?何を聞いたのか?」

父のためにもそれを知りたい。

当時4歳だった娘は、今は臨床心理士となって働いている。

心の病からの回復を援助する者として在ることは、二重の意味で母である私を支えている。

娘の知識も分けてもらおう。

果たして、こんな時代に、増加するばかりの患者を、長期間かけて闇から救い出す

適切な医療体制が整ってゆくのだろうか、なんとも不安が募る。

typhoon

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コメント

店主さま

店主さまの潔さへの憧れと、長浜への懐かしさから、何も知らず読んでいたブログ。
お掛けする言葉がありません。
強烈に、記憶に残っているニュースです。

私のことを勝手ながらお話すると、10年前交通事故で姪を亡くしました。
ここのところのニュースには、耳を塞いでしまいます。

計り知れない悲しみを背負っているひとが、ふと隣を見ればいるのだと、
10年前から、やっと気づくようになりました。
米川のほとりに想いを馳せております。

おかしなコメント、お許しください。

風月でカレーさま

遠くでシェアしてくださったお気持にしみじみ感謝いたします。

風月様のふるさと長浜の空気のおかげで、
ぎゅっと縛っていた自分自身の枷が、日々、ほどけてゆき、心が楽になるにつけ、
胸の中に押し込めていた思いを外に出すことが出来るようになってきました。
これこそ、生き直し??(笑)

本来は個人的な傷みに係わることを開示するのは品のいいことではないと、躊躇もしたのですが、
分裂病のことを学んでやっとやっと自分流に飲みこむことが出来たので
人類が抱える大きな悲しみとして、素直な気持ちで書いてしまいました。

風月様の悲しみは
風月様の胸のなかで海のように干満しながら、
きっといつか、いい浜辺にたどり着くのだと
思います。。。。
そして、人はそうして生きてゆくことしかできないのだと思います。

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