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2012年9月

2012年9月29日 (土)

季刊「銀花」。

「湖のほとりに小さな小さな古本屋がありました。そこでは・・・・・~~~」

こんな物語を、私は読みたいと思ったのだろう。

今日で130回となったブログの一年前を読み返してみる。

・・・凍える琵琶湖北岸の雪を踏んだ日の武者震いや緊張がおさまったあとに、

さざなみのように、予期せぬ不思議な温かい力が寄せてきてくれて、

遠い夢だった古本屋開店が現実になったのが9月30日。

力を貸してくださった方、応援してくれた方、ありがとう!!!

そして、この一年、たくさんのお客様が扉を開けてくださったこと

たくさんの本達を連れて帰っていただいたこと、本当に感謝で胸がいっぱいになる。 

今さらながら、本に囲まれて人と会える場所に居ることの幸せを思う。

さざなみ古書店の書棚で、バックナンバーを並べている雑誌のひとつに、「季刊銀花」がある。

1970年に文化出版局より創刊され、2010年に161号で休刊している。

杉浦康平デザインの表紙や、写真やレイアウトが、格別美しい。P9280085

貧乏な学生時代にはとても手が届かなかったが、

仕事に就いた後に、初期の数冊を補完して揃え、大切にしてきた。

この雑誌が一貫して追い続けた美しいもの・・・、

工芸や美術、文学、自然、書籍の記事は、

無知な私に栄養を与え、刺激し、

人生の彩りを何倍も豊かに深めてくれる道案内となった。

P9280082 P9280093

この雑誌で知った奈良の木地師、

新子薫さんの一抱えもある力作、

栗大鉢(拭漆)のなかに2冊を置いてみる。 →

sandclock

夏のある午後の出来事!

「あら、銀花 があるわ」

ドアを開けてにっこりとされ、楽しげに

店内をご覧になっている方と目が合う。

それは、旅の途中に、偶然にふらりと立ち寄られた

この雑誌の元編集長、萩原薫さんだった。

「この空間、とても素敵。何だかドキドキするわ」・・・そんな言葉に、店主は舞い上がりそうになる~~。

初めて、親しく言葉を交わし、多分またお会いできる余韻を残してのひととき。

期せずして、40年来の読者としての恩義のお礼を伝えることが叶ったこの邂逅は、

開業してわずか一年のプレゼントにしては、身に余るものだったけれど、

励ましを頂いたものと、パレアナ流に喜んでしまおう。

これからも、琵琶湖のほとりでずっと長く、元気にお客様をお迎えしたいと思う。

flag

さざなみ古書店より、皆さまに

(ブログから)そっと一年の感謝を申し上げます。

一年前、ロゴやステキな看板などを制作してくれた、とまこさんのHP

http://www.tomako.jp/banana/ に

なんと!祝賀出場?サザールさんとなみこさん!のふたり!!

2012年9月20日 (木)

小熊秀雄。

パリ、セーヌ左岸の一画に芸術家が集まったように、

昭和和初期から、敗戦までの東京でも、

若く尖った画家や文学・音楽の士が住みついて、芸術の新風を希求する過敏な芸術の街があった。

そこに「池袋モンパルナス」という最もふさわしい呼称を与えたのは、小熊秀雄(1901~1940)の詩である。

池袋モンパルナスに夜が来た

学生、無頼漢、芸術家がPhoto_2

街に出てくる

彼女のために

神経をつかえ

あまり、太くもなく

細くもない

在り合わせの神経を――

アーサー・ビナードの英訳つき絵本「焼かれた魚」(パロル舎 2006 画/市川曜子)で知った小熊秀雄は

現在活躍中の漫画作家にも影響を与えた才能ある画家であり詩人、童話作家であった。

39歳で夭折するまで、常に戦争とファシズムに抵抗し続けた小熊秀雄。

 仮りに暗黒が

 永遠に地球をとらえていても

 権利はいつも

 目覚めているだろう、

 薔薇は闇の中で

 まっくろに見えるだけだ、

 もし陽がいっぺんに射したら

 薔薇色であったことを証明するだろう

    (馬車の出発の歌)

小熊秀雄童話集(絵・文) の18編の童話は、何だか不思議な鮮度を保っている。 

焼かれた魚」は、一匹の秋刀魚の物語。 底辺に流れる深い痛みと死の感覚に、ぐいと掴まれてしまう。

「雨の日文庫」2集にも収録されているこの作品は、

1997年の、創風社版 ( 絵/新田基子)では、モノクロの絵が多くを語っていて、良い絵本になっている。

P9200027

アーサー・ビナードの「日本語ぽこりぽこり」(小学館 2005年)も、

独特な鋭い視点で書かれた観察は、巧みな日本語とユーモアを十分楽しめる本だ。

暑さが少しずつ遠のいて、朝夕のひんやりした空気を深呼吸、、、静かな時間が作れる季節。

どうぞ、お手元に何冊かの本を~~~~。

P9200022

今朝のゆう壱番街の一角、赤いリヤカーの上には秋が大山盛り!

栗、蓮の実、松ぼっくり・・・・

「代金はここに入れてください」・・・とっても無口に~~(!)どっさりの秋を売っていた。

maple

   

2012年9月14日 (金)

お皿たち。

美飽食の国ニッポンにあふれる華麗な料理本や、本格的なレシピ本・・・

それらを見るだけでおなか一杯になる(?)昨今。

そんななかで、なんとも美味しそうな、黄色い本を手に入れた。

Cours de Cuisine 「修道院のレシピ」(猪本典子 朝日出版社 2002)

25500175

花嫁学校のようなものを開いたブルターニュの修道院で1955年に、修道女が作った教本。

どこの台所でも作れるふつうの家庭料理の500以上のレシピが、

手にとりやすい形の本として、日本にも紹介されることになったのだ。

健やかな写真は実に美味しそうだし、レシピもあっけないくらいに、短い。

「まぜる」「ゆでる」「煮込む」「焼く」・・・ う~~ん、自分の好みってことね、分かり易い!(?)

材料の「油脂」・・・バターだかラードだかサラダオイルだか??

ここまで簡素な材料や作り方だと、なぜか安心してしまう。

ただ、素材の味がしっかりしていた時代のレシピであるので

あとは、自分の舌と腕に責任を持って、いそいそと完成させるべし!

普通の人々の日々の食べものって世界中、シンプルなものなんだと思う。

さて、さざなみ古書店でも、書棚にある美味しそうな本たちを、盛りつけてみた。

 前回紹介した、20年前の店主の大切な「27センチディナー皿たち」の登場。

Photo  ←右下のウェジウッド ドルフィンには、

 「修道院のレシピのP88」 が、美味しそうな香り。

 えんどう豆と葱とじゃが芋のスープ・・と

 野菜のマセドワーヌ 。

 左は、辰巳芳子さんの家庭料理。

 真ん中のダンスクには、お菓子の語源を

 知ることの出来る本。2

「かもめ食堂」 「食堂かたつむり」

それに 栗原さんの定番本は、

発色のいいノリタケのエレガントな花柄にのせて。→

左下は ウェジウッド グレンミスト で

「パペットの晩餐会」の感動を!

最高の料理が人々を幸せにした物語。

忘れられない食事に満面の笑み!

restaurant

いかがでしたか?

こんな 「本のごちそう」???? 

note pencil秋のさざなみ通路での, リズムさんショップのお知らせです。

明日から2日間(10時~16時)、楽しい文具ショップが開店します!

http://rhythm-nezumi.blogspot.jp/2012/08/rhythm-sazanami-books-2012.html

 

2012年9月 7日 (金)

贈りもの。

P9060717

朝早い6日の舎那院。 白く咲いた酔芙蓉が、ほろ酔って、半分染まっている姿に会う。

一日花なのに、咲いたまま、うっかり宵を越してしまったのらしい。

あらら、紅白? ちょうど私の誕生日!めでたい色で迎えてくれてありがとう!と勝手にお礼を言う。

今から20年以上も前の、40歳の誕生日は、

娘時代から憧れていた、人生の大きな節目の大切な歳であったので、

なぜか、小学校に入学する幼児のような浮かれようであった。 その勝手な勢いで、

ほとほと厚かましいことに、母親や妹や友人に、「プレゼントは、27㎝のディナー皿を一枚お願い!」と、

サイズ一律限定指定してしまった私。 (恐縮。。。)

この年から数年間、誕生日にはさまざまなお皿が届くこととなった。 (思い出しても、、恐縮。。)

ウェジウッドのドルフィン、ダンスクのチボリ、ノリタケチャイナ、イヤープレート、・・・

・・・いろいろな文様と色のディナー皿は、きっと私の老後を支えてくれると、秘かに確信したのだが、

果たしてその通りになった。

(当時、お皿を下さったみなさま、わがままを言いましたが、これからもずっと感謝は続きます!)

食パン一枚でも、粗末なおかずでも、(決してディナーなんかじゃなく!)

20数枚(!)の27センチの美しいディナー皿たちの一枚一枚が、

ひとりのささやかな食事に魔法をかけてくれまする!

その上、それをくれた人の優しさまでもが思い浮かぶなんて、どこまでも贅沢なテエブル!!

・・・・〇〇歳になった昨日も、もったいないくらいの祝福をいただいた。

そして、自分への贈り物として、ティンシャ と 思い切って、〇ン〇ー〇ンの上等のパジャマを買った。

澄みきった音と、とびきり肌触りのいい眠り は、また長く私を幸せにするだろう。

P9040704

・・・このブログのカテゴリーは、やはり 「うふふ」 だ。present

present  present  present

2012年9月 3日 (月)

静寂。

この町の小さな家に住んで約1年8か月。

昼間の賑わいが霧散する夕暮れ、通りがすっぽりと静けさに包まれて、限りなく優しいひとときが訪れる。

夜に、南北の窓から、リリリリと虫たちの音色が流れこんでくると、その無音が際立ってくる。

2012年コペンハーゲン&ミュンヘンで開かれた「ハンマースホイとヨーロッパ」展の、

カタログ本(英)が届いたので、ご紹介しよう。

P9030671 P9030682

モノトーン作品が集められた本の見返しには、

マットな深い葡萄色が使われていて、これはとてもいい。

ヴィルヘルム・ハンマースホイ(Vilhelm Hammershø 1864.~1916)は、

2008年に国立西洋美術館での大きな回顧展により、

初めてアジアに紹介された。 

15歳で王立アカデミー入学、22歳でデヴュー。

産業が急成長した時代に、ただ自宅で室内の静寂を描き続けたデンマークの画家。

P9030672 

最近、彼の絵の世界にすうっと引き寄せられるのは、自身の暮しに静寂を受け取っているからかもしれない。

P9030678  彼が描き出す女性は常に後姿で、

 光と影の沈んだグレイトーンの画面に、

 人間としてでなく

 室内の「モノ」であるかのように、

  境界を揺れている。

 なにも聞こえない?

 なにも動かない・・?

 内面的な異次元が私を誘う。

止まった時間がたゆたうだけの、ただ、ただ、ひっそりとした室内。

彼の絵の、静寂から、なにか秘やかな音が聴こえてこないだろうか。。。

door

時々、ペエジをめくるこの本のタイトルも「静寂」 。→P9030687

(ロバート・サーデッロ 涼風書林)

序章にこんなことばがあった。

「静寂はいつでも、どんな状況下においても

わたしたちに寄り添ってくれるものです。」

「日本が長い間、地上での静寂の住処であり続けたのは

偶然ではありません。」

あなたのところへ、静寂の感触、やってきていますか?

 

 

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