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2012年11月

2012年11月30日 (金)

人間臨終図巻。

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黒い布貼りの厚くて重い上下巻。(山田風太郎 1987年 徳間書店)

金字のタイトルが「人間臨終図巻」というのも、いかにも物々しいが、

帯に、「あらゆる死のタイプがここにある。これは人間の死に方の一大交響楽だ」、

凛としたニュートラルな姿勢で人間の死にゆく記録を収集して描いた、とてもユニイクな佳作だと思う。

各年齢ごとに掲げてある、山田風太郎の短い言葉も、滋味がある。 

友人が勧めてくれたおかげで、そして、この歳であるから、読むことができたのかも知れない。

book 上巻 15歳から64歳で死んだ人々。

book 下巻 65歳から121歳で死んだ人々。 Pb300108

15歳 八百屋お七 大石主税  

16歳 アンネ 

17歳 天草四郎 藤村操 山口二矢

・・・

32歳 キリスト 坂本竜馬 ジプシーローズ 若松善紀 

・・・

48歳で死んだ寺山修司は言った。「人間は中途半端な死体として生まれてきて、

一生かかって完全な死体となるのだ」

50歳 足利義満 芭蕉 マラー 西郷隆盛 ニコライ二世 秋山真之 島木赤彦 竹久夢二 岡本かの子 他

・・・

62歳 アリストテレス 玄奘三蔵 齋藤道三 豊臣秀吉 荻生徂徠 メンデル ゾラ ラヴェル ムッソリーニ 

・・・

90歳 ナイチンゲール 横山大観 シェヴァイツァー 山川菊枝 滝井孝作

・・・

100歳 野上弥生子  106歳 物集高量  ・・・・・・

それぞれの落命シーンが描かれ、特に、名前を知っている人物の最期は興味深い。

悟りの鎮まりで逝くひとも、戦慄を誘う凄惨な絶命もある。

私に、どんな死に際が用意されているのかは、予測がつかないが

・・・幼かった次女の大きな手術や、父の事故死など、生命の紙一重の危うさを体験したことから、

その瞬間まで 「生きる」こと、ただ、ひたすらに「生きる」こと だと思う。

鼓動が静止し、瞑目した後の魂はどこへゆくのか。。。

ひどい失神をしたときに臨死体験?した、あの「温かく香しい花野」を再び歩けるなんて、思ってはいないが、

生きられなかった命の分まで、生きなくちゃ!

ともかく、自分の臨終予想図 は誰しも描けないのだから。

この思いを重ねて、塚本邦雄の歌をひとつ。。。

余生というべきものがあるなら、それは死後にまわして、現世を懸命に生きたいと思う・・・・

 秋の河ひとすぢの緋の奔れるを見たりき死後こそはわが余生  塚本邦雄「魔王」より

そして、

山田風太郎、2001年に没す。79歳。八王子にある墓石には「風ノ墓」とだけ彫られている。

戒名は、「風々院風々風々居士」 ~~~maple  

人生を、人間をこよなく愛した人物であったろう。

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2012年11月25日 (日)

秋 燃える。

色づいた木々の葉は、その命の絶え際に、

「小さな人間たちよ、やがて来る寒さなどに、怖気づくのではないよ。」 とつぶやきながら

心温まる鮮やかなステージを、  それぞれの場所で、刻々とくり広げてくれる。

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  自然が差し出してくれる画布に

  眼を見ひらき、

 美しい色を記憶しよう。

 我が住処に生えて、

 川面に幹を伸ばしている

  一本のいろはモミジも、

 いい具合に染まっている。 

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 隣にある古い蔵の裏手にまわって

覗いてみると、こんなに風流な一コマとなる。 

蔦もからみ、朽ちかけた風情が、

得も言われぬ味わい。

年季というより、風化に近い建屋の姿が、

愛おしい。

米川に面した石の階段は健在で、

往時の舟の着岸や、

荷の揚げ降ろしの風景も偲ばれる。

どんな人々が、この階段を上り下りし、

どんな音が行き交ったのだろう、、、と目を閉じ、耳を澄ます。

朝の散歩で、

長浜八幡宮の銀杏の黄葉を見上げて歩き、

舎那院の門をくぐると、すぐ前に、

朝陽を浴びて、紅葉が燃え立っていた。  

ありがとうネ、逝く葉がかざしてくれる束の間の慈愛の下を通る。・・・もうじき冬、の長浜。

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2012年11月21日 (水)

雲のうえ。

各地で人気上昇の、北九州市の情報誌「雲のうえ17号」を、ただ今配布中。

毎号、表紙にまずころっと笑わせられる、が、この最新号の 吹きだしのセリフを

分かる分かると言う方が、関西圏にどのくらいいらっしゃるのかな。

甘い声で「びびんこしてぇ」 と 女子にせがまれた男子、さて、さて、、、???「えっ、ここで?」(焦)

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アートディレクター有山達也+小倉出身のイラストレーター牧野伊三夫+編集つるやももこ の

最強の編集委員が、2006年の創刊以降、全く衰えないパワーで、

「北九州の街の面白さ」を発信し続けて、

今では全国に、心待ちにしているファンが増大し、すぐに品切れするらしい。

町の声: こんな雑誌が無料なんて、北九州市はスゴイ!

牧野が、創刊号で語った思いは・・・(長いが引用する)

「(略)誰もが青い天の雲のみをみつめて坂をのぼった時代をはるか後にして、雲のうえに出た今、

ひらけているのはどんな風景なのだろうか。 (2006年)ことしは新北九州空港も開港した。

古くから国の政策のもと、製鉄を中心とした工業の面で日本の近代化をになってきたこの街から、

遠く近く、それを見たい。  日々の暮らしや街の表情からみれば、北九州は、

方々で急速に消滅しつつある土地のにおいや陰影といったものを、まだ残している。

地理や歴史がつくるひときわ濃い風土が、血や肌に熱を感じさせる。

他に類のないこの風貌のなかに酸素を送りこみ、魅力的な未来を築く方法はないだろうか。

創刊号では「角打ち」をとりあげてみた。

これからも北九州の街かどを虫眼鏡で、同時に雲のうえからながめていく。

この街にふさわしい歩みのテンポを見つけるためである。

小誌が街づくりに、そして市外から関心を寄せていただくよすがになれば幸いである。」

http://lets-city.jp/seen/kumonoue/

本当に虫眼鏡的視点で、街の面白さや、市民の暮しを活写している冊子は

ふるさと再発見だけでなく、旅人の標にもなっている。

去年、これを手に北九州へ旅をします!と言った関西男子に、

差し上げたけれど、街は彼にどんな印象を与えたかしら。。

雲のうえのファンサイト「雲のうえのしたで」 もできて、応援団も元気いっぱいだ。

・・・九州人はとにかく、熱っい!!!!   http://kumonoue-fanclub.net/

Pb210118

滋賀県でたった一軒の配布場所でもある、さざなみ古書店では

在庫切れのバックナンバーをご覧いただけるだけでなく、

北九州出身の店主があらゆる質問に応じておりますヨ~~~。方言のレクチャーなどなんでもござれ!

「びびんこ」って???

「ぐらぐらする」って?

「なんかかる」って?

「てれんぱれん」って?

「かべちょろ」って?

「しゃーしぃ」って?

「ぞろびく」って?

「なしか」って?

「ほがす」って?

「りごうする」って? etc.

search

※ちなみに17号を手にした湖北の女子、上記の言葉などなど、およそ意味不明のようでした。

2012年11月17日 (土)

彦根銀ぶらアート。

日本中に、たくさんたくさんの 「THE GINZA」 があって、

かつては、ビカビカと輝いて、人と商品があふれていた通り。

城下町彦根の、幅のひろいアーケードの「銀座商店街」を

ふら~~りと、「銀ぶら」 してみる~~~~。

Pb140065 古そうなビルヂィングの1Fに

 「メイン会場 銀座芝居小屋ビル」という立て看板。

 なんやなんや?? この奥は?

 2階へのすり減った階段を

 ミシ、ミシとのぼる。

 その時点で、ワクワク感も上昇↑↑~~。

 まず二階、Photo_2

 上田三佳さんのアートが→

 迎えてくれる。

 かつては、

 「チャップリン」という有名なジャズ喫茶だったという

 すこぶるレトロブラウンな空間を使って、

 アート作家が、各部屋で、作品を発表している。

 古い建物の室内でしか感じられない匂いと空気。 

 シミや穴や破れなどの味わいが、この場所で人々がいろんな思い出を作ったことを教えてくれる。

 そんな空間に、アートがなじんでいて。

Pb140077
 ← ハラミイシ カズコさんの

 自由奔放な布と糸の作品のそばで

 温かいお茶をいただいているうちに

 どんどん気分がほどけて

 なんだか笑いたくなってきた!

 
 「自由」っていいな!

 「思いのままに」っていいな!

アートが持つ、湧きあがる無垢のエネルギーを共感させてくれる力。

日常の暮しには使われない部位かも知れないが、

誰でも、意識の奥底に、原始のころからある、アートに共振するうごめくポイントを持っているはずだ。

現代アートは、そこを、ちょっとつついたり、押したり、撫でたりしてくれるもの。

ヒト は 自由 でいいんだよ!って、ささやきかけてくれるもの。Pb140060

 ← 早川鉄平さんの、切り絵の部屋。

 窓にも天井にも鳥たち、

 動物たちがひそひそと・・・・

 森の奥を想像したくなるような空間が

 作られている。

 こんなお楽しみな「銀ぶら」は、

   http://ginbura-art.official.jp/

 彦根の若い方々が用意してくれたもの。

7名のアーティストの展示に併せて、♪ライブなどもある明日までのイベント、どうぞ近郊の方は、

ぶらっと銀座を歩いてみてくださいな~~。

 

 

 

 

 

2012年11月12日 (月)

珈琲と ナディン・ゴーディマ。

ここ数日待っていたモノ。

~~届きました!京都オオヤコーヒー焙煎所の珈琲豆。 

いつも、店主の分まで調達してくださるNさんのお手間のおかげで、Pb120044

とびきりの深い味を楽しめている。

http://kamakurahouse.com/?p=1300

今日の豆は、エチオピア中深煎。

多分、Nさんのようには、上手に淹れられないのだが、

スリップウェアのマグからは

何ともぐっとくる香りが立ちのぼる。 

苦くないのに、深~く深~く包まれる。・・・コースターは、石黒恭子さんのフェルト。 

Pb120030

飲んでから抜けるこの香り・・・うぅ~~ん、どこかにもあった?・・・、と懸命に思い出してみたら

アイラ島のシングルモルトのボウモア、を飲んだあとに似てる。。。。

豆の姿は、大きくふっくり揃っていて、いかにも誇り高く、きらりとしている。

確かな目で選ばれて、大切に煎られた豆たちだ。

・・・これは、淹れるときの姿勢もきちんとせねばなりますまい!

たった一杯の濃い飲み物がくれる時間。Pb120021_2

数日前から、

ナディン・ゴーディマの「いつか月曜日に、きっと」(みすず書房)を

読んでいるのだが、

ゴーディマの明晰な筆致に触れる時間に

(福島富士男氏の翻訳はすばらしい)

この深煎りの珈琲は格別にぴったり合うのを、発見したところだ!

cafe

book

2012年11月 7日 (水)

近江八幡散策。

やっと、ボーダレス・アートミュージアムNO‐MAに行ってきた。

 http://www.no-ma.jp/

ART BRUT (アール・ブリュット)とは「生(き)の芸術」・・・

芸術的意識に汚されていない根源的自由から産みだされるPb070287

創造性と生きることが直結した、アート、、と言ったらいいのか。

近江八幡という、風情豊かな旧き佇まいの町の一画、

野間家のお屋敷が8年前に、小さな美術館に生まれ変わって、

刺激的な造形展が次々と開かれている。

二階の展示室にあがると、

座敷に柔らかな秋の陽が射し、ほっとくつろいでしまいそう。→

京都の旅人と、「いい美術館ですねぇ」と、思わずにっこり。

1Fのショップで、

大判のカレンダー2013年版を、即、買う。 デザインがとっても良いので、来年一年間、楽しめるわ~~!

静かな界隈を散策しながら、Pb070336_2

幾棟ものヴォーリズの建築を見物できるのは、

この町ならではの愉しみ。

見えてきた!ヴォーリズの建築、近江八幡教会の塔の

手前の瓦屋根に洗濯物が揺れているのも、何だか楽しい。→

教会の隣には、ヴォーリズ建築1号のアンドリュース記念館

Pb070259_4 てくてく歩いても

 あまり人に出会わないのは

 なぜだろう。

 観光客は日牟禮八幡宮あたりに集まるようだ。

 ← 仲屋町通りの旧八幡郵便局の中には骨董品屋があった。

 お昼ご飯のお目当ては、

 為心町のベーグル屋さん「Kenny's Bagels」。

  cafePb070302

お庭の見える座敷で椅子に掛け、ジャズを聴きながら →

美味しいスモークチキンサンドと珈琲。

各種ベーグルを買い込んで、また

ぶらぶらと御堀に添って、水辺も歩いてみる。

お客を乗せた和船が流れるように、進んでゆく。

Pb070309 

 とっても古いけど、どこかハイカラな空気が漂っていて、

 おおらかな町、近江八幡。

 長浜と、とても似ているのは家々を包む静けさ。

 では、長浜と違うところは? 

 路地裏から妖怪が顔を出しそうもないところ。 (ん?~?)

 長浜大好き・ヨソモノ店主の、わくわく町歩きの、所感。

 (長浜ピープルのブーイング、待ってます~~~)
 

2012年11月 3日 (土)

長濱ゆう歌舞伎。

長浜の人々の血脈には、曳山まつりへの熱き思いが代々インプットされているようだ。

一般市民が、年に一度、歌舞伎を演じる催しが始まって、もう16回を数えるという。

素人による歌舞伎の上演といっても、

ありきたりの(!)の町では、なかなか継続は難しい分野であろう。

http://www.yu-kabuki.com/index.html

1990年にはじまった「修行塾」 では、曳山祭りを自分たちで守るために

子ども歌舞伎を教える、振付、太夫、三味線という三役を地元で養成し、専門家まで育てているとのこと。

ときおり、曳山博物館裏手より店主の部屋まで、こぼれて届く彼らの修練の音色が

移住の身を、江戸へとタイムスリップさせる。  この恩恵に、伏して感謝。

slate

さて、いよいよ、大道具、小道具まで自分たちで作る「にわか混成町衆役者」の舞台。

小雨の11月2日18:30から、床暖房完備の曳山博物館で公演を観る。Photo

演目は

第一幕 子ども歌舞伎 「一谷嫩軍記」(いちのたにふたばぐんき)

Pb020202 地元の小学生たちの

 演技の上手なこと。

 そして、なんとも

 美しい~~~~。

 熊谷妻 相模 を演じた

 華のある渋谷祐太くん!

 あまりの可憐な姿に

Pb020190_2 ←しばし、うっとり惹き付けられてしまった。

Pb020218_4

舞台替えの間に聞えてくるトンカチの音が

素人集団らしくていい。がんばれ、裏方さん!

第二幕 「絵本太功記」十段目 尼崎閑居の場

演者には大人の女性が多く、

年季が入って、所作も身についている。 

 切ない場面が続く。Pb020228_2 三味線も、太夫も、さすがの腕前。

 熱演に送られる拍手や掛け声で、盛り上がり、

 最後は、おひねりが飛び交う会場。Pb030246

 歌舞伎愛好の士が練習に汗を流した成果を

 披露し、町人と交歓する二日間。

 maple 

 風も冷たくなってくる秋の夜長に

地元に密着した芸能の愉しみが、営々と繰り広げられる・・・なんだか底から温かくなるようだ。

////小雨のおちる夜道を 

マフラーを巻き直しながら、家へと急ぐ。

静まった町の通りに立ち止まると、

不思議な時空間に迷いこみそうな瞬間!! ~~~ここは?いったいどこでしたっけ?

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