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2012年12月15日 (土)

未来圏からの風。

book 「ぼくたちはどこへ行くのか。

ヒマラヤ、アラスカ、バリ島を巡り、

ダライラマ、星野道夫、そしてアメリカの最先端科学者たちを訪ねる、池澤夏樹の旅。」

・・・・この帯が巻かれた1996年の本。分厚いPARCOの ペーパーブック。

垂水健吾の写真がモノクロームで多数挿入されている。

「諸君はこの颯爽(さっそう)たる諸君の未来圏から吹いて来る

 透明な清潔な風を感じないのか」・・・詩人、宮沢賢治が、

岩手県花巻農学校の教員を辞したときの思いを綴(つづ)った言葉。

このなかの「未来圏」という言葉を、人間全体を考える旅のキーワードに選んで

池澤夏樹 (http://www.impala.jp/)の、細やかな感性と考察の旅がはじまる。

ヒマラヤに宿営して数週間、砂曼荼羅作りや儀式への参加などのあと、

ダライラマとの謁見をするのだが、その内容は深く、礼節と真摯さに満ちている。。。

 ◆猊下 「自分の努力には何の効果もないだろうと思って、ある種の無力感を抱く。

 そういう姿勢は間違いだと私は考えます。いずれにしても他の方法はない。

 よりよい世界、よりよい幸福な世界が欲しいというのならば、私たち人間の一人一人が努力を

 するほかない。私達の責任なのです。」

 ◆猊下 「つまり、この小さな青い星が私たちの唯一の家であり、それ全体に関わる問題が存在する以上、

 われわれは地球規模の責任感というのもを発展させるしかないのです。これが利他主義の基本ですよ。」

 ◆池澤 「なんどとなくくりかえし考えてみることにいたします。」

night アラスカの故星野道夫の家でも、焚火の前で尽きぬ会話が、交わされた。

池澤の短い言葉の投げかけに、星野道夫の雄大な自然観が展開されて、わくわくして読む。

Pc150153

物理学者フリーマン・ダイソン、生物学者リン・マーグリス、生物学者トーマス・レイ、との会談も

その時の光景の写真ペエジが、同時に会話の和やかな空気まで伝えて、

インタビューならではの語りの面白さだけでなく、

素人には解かりにくい専門分野を優しい会話文で、味わうこともできる。

左に並べたのは、リン・マーグリース女史の著書「不思議なダンス」性行動の生物学 (1993 青土社)

doorchair

人と、人が出会って作ることの出来るその場にふっと生まれ出るきらめく言葉の記憶。

だが、それが本という形になると、いくらかの臨場感をシェアできるから、

密度ある時間のお裾分け に与るとでもいうのかも知れない。

読者は想像力という自分の道具を使って

彼らの傍を通り抜け、また違う世界を旅することもできるのだ。

今夜は、

「われわれはどこに行くのか」という問いかけが

格別に胸に切迫する。明日は投票日。。。。

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