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2013年3月15日 (金)

累成体明寂。

「abさんご」で、芥川賞を受賞した75歳の作家 黒田夏子さんが

2010年に審美社から出した、「累成体明寂」。(るいせいたいめいじゃくPhoto

 この本の目次を見ると、まるで詩集かと、、、思う。

book 目次

物象篇 (夕まつり;食器の体系と喃語の体系;

道のきれはし;おわらない調律;かくれ犬;

展幻索引;橋うた;大きな入れもの;朝の浮き巣)

暦層篇 Ⅰ 

書族篇 Ⅰ Ⅱ Ⅲ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そして、ペェジを繰るごとに、

今まで体験したことのない不思議な自伝的文学世界が示される。

ひらがなの多用、欧文句読点、固有名詞のない横書きの、

独特の黒田さんの日本語文体は

読者にとって、難解というより、見慣れない道。

小さな小石が敷き詰められた道を、裸足で歩かされるようなのだ。P3150785

歩いてくださいな、と誘われた風景であるのに、

砂利踏む足裏は、じわじわと痛みはじめ、咽喉も渇き、

どこか「漢字の多い椅子(?)」を探して、ひと休みしたくなる、

未知の行軍。

ぬるり、くねくねと続くひらがなを、漢字に置換しながら、

語句の意味を掬い取ってゆく作業は骨が折れる。

しかしながら、斬新な読書体験!!・・・脳への新しい刺激。

砂利の隙間や、使われているわずかの漢字の陰から、清涼なイオンが漂ってきたり、

作者の見た陰影のある光景が、旧い写真のように浮かんで来たりすると、

足の痛みもころりと消えて、

いつのまにやら、また

黒田日本語世界の砂利道を 再び歩いているのだ。

「累成体明寂」の終りのペエジ(P300)の最後の一文。

移住者である店主が長浜に来た日の気分と重なるので、ここに紹介する。

こんな文体に初めて出会う方には、いったいどんな印象だろう。。

book

しばらくは分け進むのにせいいっぱいだった小児が,やがてまえうしろも

おぼつかなくなったころ,ふいに、ふみこんだときとはちがう道に出はずれた.

ぬけて,まだ 朝で, 天空があった. 

ひたむきにあそびふけっていいひとひがこれからはじまるところだった。」

eye

もっと黒田さんを知りたくなった方には・・・

karaoke黒田さんの語り ↓

http://www.youtube.com/watch?v=7vpBdlbRO9M

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コメント

あ……好き(笑)

「理解する」というより「味わう」という文章でしょうか?
詩人・遠藤ミチロウよりもまだ難解と言いますか、居心地?読み心地?悪いですね(笑)
「自分の存在や発言の方が、まだ訳分かるじゃないか」という安心感を感じれるから好きなのかな。

マスターさま

春!週末の明るさ!

難解という遠藤ミチロウさん作品を知らないのですが、
黒田さんの日本語は、独特の手触りが、くせになりそうです。
黒田さんの陽炎が揺れるような胡桃色の思考が、
これまた独特な匂いを醸し出していて、、、やっぱり、捉えられてしまったのかも。。

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