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2014年4月

2014年4月30日 (水)

昭和の燐寸のラベル。

当店の棚の片隅に積んである古いスクラップアルバム。

「父が大事に保管していたものなので」という方が預けてくださった貴重な数冊。

たまに目を留めてくださるお客様にご披露すると、

必ず、しばらく動けなくなって、「スゴイ!」「面白い!」と目が釘付けになるご様子。

戦前のマッチラベルを大量に収集し、丁寧に貼ってあるもので

紙質、意匠、色彩、告知など、

数センチ四方のマッチ箱の一枚のラベルにこめられた多様な「絵の魅力」には

驚かされ、そして、おおいに笑わせられる。

明治時代、商いの世界で、広告として、「引き札」が広く流行ったあとに、

昭和にはいって、日用必需品として買われたり、配られたりした「燐寸(マッチ)」は

その小さな箱の平面が、確実に人々の手許に行き渡る「広告伝達媒体」となったのだ。

電気が普及する前の日本では

燃料に「炎」を着火する行為なくては暮らせない。マッチは、無くてはならないもの。

だから、どんな業種も広告入りマッチをせっせと作り続けたわけだ。

マッチ棒はあえなく燃えつきてしまったけれど、

懐かしい時代の匂いを届けてくれる容器のラベルは、

それを愛する方々の手で残った!!すごいことだ。

さぁページをめくってみよう。

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↓「紫選手の誉」ってナンダろ??(笑)

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↓気高い雰囲気の「バースイス」の横にある

「RESTAURANT文化軒」の「愛慾篇」という絵柄には、特に女子の動向に殺気迫るものがあり、

おちおち食事もしていられなさそうな店ではないかと思われる。(笑)

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かと思えば、

見た瞬間、パンが食べたくなるようなキュートなこんなラベルもある。

「パン。。。」 「。。。」が効いている。 が、店の名前が無い。

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↓卒業証書を鼻にひっかけてる学生のイラストの

帝大東門前「呑兵衛」の横に

「マッチレッテル展覧会」のマッチ があるのをごらんいただけるだろうか。

百貨店でそんな催事があった時代らしい。

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ほぼ、アートに見える濃い作品もある。

以後、著名になった画家などの若い頃の仕事でないかと思われる絵も多い。

↓高円寺のカフェーシナノの色合いのカッコよさ。

P4300334

このアバンギャルドデザイン満載の

マッチラベル収集帖は、

今ほど決して便利でなかったけれど、

日本人の感性が無邪気だった昭和の空気や社会をイメージできるものとして

当分みなさまに楽しんでいただきたいので、

いつものように、片隅の棚に置くことにしよう。

2014年4月15日 (火)

森の宿。

「紫香楽宮跡」 という駅のある鉄道には現在電車が通れない。

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バスで、この竜宮城みたいな名前の駅に着いて、線路を渡ると、突然の山道。

「スニーカーでお越しください。」の主旨が腑に落ちた。

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小鳥が鳴き、風も陽射しも爽やかだが、人っ子一人いないので少し怖くなってくる。

地図に川が描いてあり、「川を二回渡る」とある。でも、橋も見当たらないよ。。

と、前を見ると、

透きとおった水がきらきら下って行く。

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わぁあ~~これだ!

確かに手前の水流をまたいで、もひとつ先の流れをぴょんと越えれば、「川を二回渡る」だ。

ずんずんずんずん山道を登ると、

見えた””””!!!

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本日のお宿、「森の宿 〇〇〇~〇」(店主秘蔵・問い合わせには対応します(笑))

宮大工さんが建てた木の香りのするお家。

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居間のまんなかの薪ストオヴが赤々と暖かく、

店主のMさんの美味しい野菜料理や穏やかな雰囲気のおかげで

ぎゅっと詰まって息苦しくなっていた心がすぅっとほぐれた。

何とも優しい時間に充たされている小さな木の家。

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朝ごはん。誰もがにこにこしている。

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人が人をこんなふうにさりげなく助ける奇跡のようなシーンを

自分の体験として記憶した私は

今はこの不思議なレスキューの家を作ってくれたMさんに対して、ありがとう を忘れず

感謝を大きくふくらませようと思うばかりだ。

2014年4月 3日 (木)

塚本邦雄「流露帖」

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ちょうどこの四月のあたたかな風に、草草がゆれる時分の俳句を見つけた。

book 塚本邦雄 句集「流露帖」(1992 限定135部)より

 はこべらに花半生はたまゆらに

 相愛のいつまで木の芽和へのこす

 花篝こぼれやまざるにくしみを

 春愁は夏につづかむ花ごほり

・・・・この句集は、手のひらにのる16頁の軽く小さなもので、

小さいゆえに、選ばれて印字された句がすぅっと心にとびこんでくる。

駿河柚野三椏紙に活版印刷、山吹糸で綴じてあり、単行本とは全く異なる味わいだ。

俳句本に、この仕立ては、軽やかですこぶる似合う!と改めて気づく。

本棚のコレクションのなかにある

book「塚本自筆ペン字一首」を紹介しよう。

↓ウィッ!のところが弾んでいて、フェンネルがぐんぐん伸び始める陽春に似合う感じが大好き。

・・・レオナルド・ダ・ヴィンチに献ずる58の射祷の一首。

 青春は一瞬にして髭けむるくちびるの端(は)の茴香(うゐきゃう)の oui!

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book もうひとつ、久しぶりに出してみた、自筆葉書

昭和53年8月に送られた俳人三橋敏雄への丁寧な返信文。

三橋の句を鑑賞した際に、正しくは「百夜」を、「百日」と思い込んで疑わず発表してしまったものらしい。

御当人からの指摘を受けた塚本が、いかに慌てて

「愕然として」「不思議千萬」の「書き間違い」に恐縮し、この葉書をしたためたかが想像できる。

しかも速達葉書。(当時20円+150円)

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一枚の葉書に残された、俳人と、歌人/評論家のやりとりが

「小さな物語」として、後世に伝わってしまうということも

小さく愉快なことだ。

私の「ガラス戸つきの塚本作品書棚」から、

さざなみ古書店の書棚へ移動して、新しい読み手を待つ本も多くなってきたけれど。

もしも、もしも、こんな葉書を欲しいというマニアがおられたら

ぜひ声をかけてほしい。

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