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2014年4月 3日 (木)

塚本邦雄「流露帖」

P4030832

ちょうどこの四月のあたたかな風に、草草がゆれる時分の俳句を見つけた。

book 塚本邦雄 句集「流露帖」(1992 限定135部)より

 はこべらに花半生はたまゆらに

 相愛のいつまで木の芽和へのこす

 花篝こぼれやまざるにくしみを

 春愁は夏につづかむ花ごほり

・・・・この句集は、手のひらにのる16頁の軽く小さなもので、

小さいゆえに、選ばれて印字された句がすぅっと心にとびこんでくる。

駿河柚野三椏紙に活版印刷、山吹糸で綴じてあり、単行本とは全く異なる味わいだ。

俳句本に、この仕立ては、軽やかですこぶる似合う!と改めて気づく。

本棚のコレクションのなかにある

book「塚本自筆ペン字一首」を紹介しよう。

↓ウィッ!のところが弾んでいて、フェンネルがぐんぐん伸び始める陽春に似合う感じが大好き。

・・・レオナルド・ダ・ヴィンチに献ずる58の射祷の一首。

 青春は一瞬にして髭けむるくちびるの端(は)の茴香(うゐきゃう)の oui!

P4030814  

book もうひとつ、久しぶりに出してみた、自筆葉書

昭和53年8月に送られた俳人三橋敏雄への丁寧な返信文。

三橋の句を鑑賞した際に、正しくは「百夜」を、「百日」と思い込んで疑わず発表してしまったものらしい。

御当人からの指摘を受けた塚本が、いかに慌てて

「愕然として」「不思議千萬」の「書き間違い」に恐縮し、この葉書をしたためたかが想像できる。

しかも速達葉書。(当時20円+150円)

P4030835

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一枚の葉書に残された、俳人と、歌人/評論家のやりとりが

「小さな物語」として、後世に伝わってしまうということも

小さく愉快なことだ。

私の「ガラス戸つきの塚本作品書棚」から、

さざなみ古書店の書棚へ移動して、新しい読み手を待つ本も多くなってきたけれど。

もしも、もしも、こんな葉書を欲しいというマニアがおられたら

ぜひ声をかけてほしい。

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コメント

久しぶりに覗いたら、なんと、塚本邦雄の句集「流露帖」。
こんな小品までお持ちだったんですねぇ。
塚本コレクションをほぼ全冊蒐集した後、結局ほとんど全てを処分しましたが、この句集は手元に残していました。自筆はがきは、初見です。いつか、手にとって見てみたいものです。

往年の塚本ふぁん樣

さぞかし、素晴らしいコレクションだったことでしょうね。
でも処分されてしまわれたなんて、残念ですこと。
どうぞふらりとお立ち寄りくださいませ。
自筆葉書をご覧いただくのを、楽しみにしています。

昨日、男子高校生が、「けさひらく言葉 壱」をお買い上げに。
若いひとが塚本邦雄に初めて出会うシーンに立ち会えたことは、
しみじみ嬉しいことでした。

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